2023年度 ソワレアミカル 開催報告
2023.7.18
トック・ブランシュ国際倶楽のソワレアミカルが開催されました。ひさしぶりのソワレアミカルは会員同士や仲間との再会となり、笑顔あふれる有意義なひとときでした。
東日本地区 2023年6月12日(月)
東日本地区では、横浜のホテルニューグランドのレストラン『ル・ノルマンディ』にて開催されました。あいにくの雨でしたが、45名の方々にご参加いただき、レストランを貸し切っての贅沢なひとときを楽しみました。横浜でのソワレアミカルは久しぶりの開催ということで、地元横浜のシェフの皆様もたくさんお越しいただきました。
齋藤裕之委員長の司会で宴はスタートし、緑川廣親会長から「本日は、この歴史と伝統のあるホテルニューグランドにてソワレアミカルを開催できることをとても嬉しく思います」とのご挨拶が述べられました。
第六代目総料理長の関口真司さんからは、「30代過ぎにトック・ブランシュ国際倶楽部に入会して、ことあるごとに緑川会長をはじめとした料理講習会に参加し、学んできて現在の僕があると思います。講習会ではモダンな料理というよりは、きちっとしたフランス料理の技術を習得することを主旨したもので、いい素材、火入れ、ソースをしっかりとしたベースに基づくフォン、フュメ、バターモンテの方法など、ひとつひとつを勉強しました」、「本日のメニューは、花木シェフと『しっかりとしたソースを作ろう』と何度か試食を重ね、“これならいける”という料理をご用意しましたので、どうかお楽しみください」とご挨拶くださいました。その後、ル・ノルマンディ料理長の花木 洋一郎さんより料理説明をいただき、ディナーがスタートいたしました。
MENU
アミューズ
愛知県産鮎のクルスティアンとムース グリーンアスパラガス添え
軽く仕上げた冷製ボルシチ
北海道産キンキのプレゼ 地中海の香りで
仔羊ロースト 野菜のココット焼きとナヴァランのジュ
レモンタルト 柑橋類のフルーツを添えて
すべての料理は基本のクラシックな味わいで、素材の美味しさやソースの豊かな風味を堪能することができ、至福のひとときでした。
デザートの頃には雨も少し止み、窓の向こうの海と美しい夜景を眺めながら横浜でのディナーを堪能することができました。最後に、港のパノラマをバックにした集合写真タイムでは、参加者の皆さんの楽しい笑顔が溢れました。
関口総料理長、花木料理長、スタッフの皆さまには素晴らしいお料理とおもてなしをいただき、お世話になりましてありがとうございました
西日本地区 2023年6月19日(月)
西日本地区では、帝国ホテル大阪のレストラン『レ セゾン』にて開催されました。『レ セゾン』での開催は2019年6月24日以来、4年ぶりの2回目です。コロナの感染が懸念された昨年と打って変わってノーマスクでの会食です。やはり日常を取り戻した嬉しさからか参加者の会話も盛り上がり、笑顔がこぼれます。
石井之悠西日本地区委員長から開催挨拶のあと、会員の今城浩二シェフ(帝国ホテル大阪 調理課長)からご挨拶、佐々木稔シェフ(レ セゾン 料理長)からメニュー説明、宮田健次副支配人からワイン説明をいただきました。
塚本三十志副会長の音頭で乾杯!今回もトック・ブランシュ国際倶楽部のための特別メニューで、料理、デセールとも素材と調理法の組み合わせを変えながら、様々な香りや食感のバランス、ソースと付け合わせのバリエーションで緩急をつけた素晴らしいコース料理を堪能いたしました。(お料理については、後ほどプロのコメントをご報告します)
食後に佐々木シェフからスタッフの皆様のご紹介があり、盛大な拍手が贈られました。矢間副委員長から閉会のご挨拶があり、名残惜しくも次回の再会を約束してお開きとなりました。開催にあたりましては、帝国ホテル大阪様に大変お世話になりありがとうございました。
【料理レポート】
料理をご担当いただいたのは3年前から指揮を執る佐々木稔シェフです。
アミューズはウサギのデクリネゾン、3種の調理法で料理された各部位(コートレット、ラーブル、もも肉など他の部位)が絶妙なバランスの味付けで盛り付けられていました。
続けてオードブルはタスマニアサーモンのミキュイです。紅茶のアールグレイでマリネして低温調理されたソーモンの得も言われぬ香り、アマレット酒で香り付けしたアーモンドのソース、食感で添えられたアーモンドのチュイルのハーモニーが素晴らしい一皿。段々と盛り上がっていきます。
次は鳩、亰鴨、フォワグラのパテ・アン・クルート。ファルスのきめ細かさと上品な味付け、パートの薄さと完璧な火通しに技術の高さが感じられます。付け合わせのビーツ、キャベツ、玉ねぎの甘みがパテの旨味を引き立てます。
続いて最後の前菜です。下の器は胡桃のラヴィゴットソースを敷いた温かいリ・ド・ヴォーとシャキッと歯ごたえも心地よいグリーンアスパラガス、上の器には冷たいプティサラダとサマートリュフ、冷たいものと温かいものを混ぜ合わせて食べる面白い趣向でした。皿はどんどんテンポよく進んでいきます。
魚料理は旬のイサキのマリニエール風。コリアンダー風味のじゃがいもを下に敷き、ギリギリに火を通し、ムール貝、ドライトマト、ハーブのコンディマンをのせています、付け合わせはアーティチョークのバリグールとアスペルジュ・ソーヴァ―ジュ、季節の素材がバランスよく組み合わされ、イサキの火通しが完璧です。最後にムール貝とアーティチョークのブイヨンを注いで完成です。
肉料理はシストロン産のジゴ・ダニョーのロティに佐々木シェフの思い入れのソース・キャロットです。20数年前アラン・パッサール氏のフェアで特に印象に残ったソース・キャロットに自分なりの解釈を加えた少し甘めのソース。香り付けのスパイスがメリハリをつけて味を引き締めます。
いよいよデセール、完熟マンゴーとココナッツのコンビネゾン、2つの素材を様々な仕立てにして盛り合わせていました。味とテクスチャーの変化がフィナーレを飾っていました。
(レポート:西日本地区 ソワレアミカル実行委員 Y,K)
MENU
ウサギのデクリネゾン パテ/アメリカンチェリー、ルーロー/レンズ豆、フリット/塩文旦・フィンガーライム
アールグレイ香るタスマニアサーモンのミキュイ 香ばしいアーモンドチュイルと柑橘のコンフィチュール
パテ・アン・クルート(鳩、亰鴨、フォワグラのファルス)
リ・ド・ヴォー、グリーンアスパラガスのサラダ仕立て サマートリュフと胡桃のラヴィゴットソース
イサキとアーティチョークのマリニエール ムール貝とトマトのコンディマンのアクセント
シストロン産仔羊腿肉のロティ スパイスを香らせたキャロットソース
完熟マンゴーとココナッツのコンビネゾン