2023年度 秋のソワレアミカル 開催報告
2023.11.28
東日本地区 2023年9月25日(月)
東日本地区では竹芝のSUD restaurantにて開催されました。今年は本当に暑い夏が続きましたが、やっと少し涼しくなってきた9月後半、夕暮れの東京湾と浜離宮が目の前に広がり、店内はシャンデリアの装飾…なんとも贅沢な空間を貸切りにて会場をご提供いただきました。
齋藤裕之委員長の司会進行、柘植末利副会長のご挨拶、鈴木房雄委員の乾杯でスタートです。
間光男オーナーシェフにご登場いただき、1954(昭和29)年の創業以来、各界の人物に愛されてきた武蔵小金井の本店「TERAKOYA」についてご紹介がありました。来年で創業70年という老舗レストランの精神はそのままに、間シェフならではの革新的なアプローチで生み出す独創的なお料理の数々を堪能いたしました。
こちらのレストランは2021年にOPENされましたが、店名のSUD(=南)は竹芝にあり、ここから約1000キロ先にある小笠原諸島の島まで、南の海への道の玄関口という思いを込めたもので、とても情緒があります。 MENUには島嶼部の食材も使ったものをご用意いただきました。
当日は伊豆のウツボや豚足、スッポン、岡山のチョウザメ、キャビア、五島列島のクエ、現代風に仕上げたハギスを牛フィレのポワレに添えるなど、7品のコース料理を堪能いたしました。とてもお洒落なAmuse-Boucheは、間シェフとお知り合いのデザイナーさんとで考案されたオリジナルデザインの特別なお皿は、奈良の遺跡「酒船石」にヒントを得たというユニークなもので、こちらのお店の「シグネチャープレート」とのこと。6種類の独創的なお料理が盛り付けられていて、間シェフのメッセージがこもったまるで宝石のようでした。
最後はスタッフの皆様に御礼と感謝の大きな拍手のなか、市川博史副会長の締めの挨拶でおひらきとなりました。間シェフ、SUDレストランの皆様、本当にありがとうございました!
MENU
アンチョビと馬鈴薯のエスプーマ
フランボワーズと胡桃のソースヴィネグレット
牛蒡フリット、ビーツ、ロケットのクーリ
ペドロヒメネス・ヴィネガーのレデュクションを添えて
シャンパーニュ風味のサヴァイヨンでグラチネして
トピナンブールのエクラゼとフォアグラロワイヤル
カカオのフィユタージュ添え
牡蠣とスコッチウイスキー、二種のソースで
キノコのメレンゲとカシスのソルベ添え
西日本地区 2023年10月30日(月)
西日本地区のソワレアミカルの美食会。今回は京都大学構内に構えるレストラン ラ・トゥール。前回の帝国ホテル大阪レ・セゾンに続いて、今年は2回目の開催です。
今回料理をご担当いただいた佐野一成シェフは料理だけではなくパティシエの経験もあり、フランスでの修行でスキルとセンスを磨き、様々なレストランで料理長を務められた後、縁あって6年前に株式会社円居に入社。4年前に京都に異動になり京都の食材の素晴らしさに魅了され、以来 西日本事業部 総料理長として腕を振るっておられます。
アミューズは毛ガニとオッソイラティのタルトレット、京かぶのコンソメスープの2種です。タルトレットはカニの甘さとオッソイラティのほのかなコクがよくサクサクに仕上げられています。横にかぶの香りが良いコンソメが熱々で提供されました。美味しいのは言うまでもありません。
前菜の寒鯖と長茄子のルウェル、焼き茄子のタプナード添えは、脂ののったサバが虹色に輝く素晴らしい火通しで、詰められている茄子がしっとりさを演出。タプナードはカレーなどの香辛料をきかせたもので、食欲をかき立たせる1品です。
次に柔らかな堀川ごぼうのフランとフォワ・グラのポワレ、コーヒー風味は、ゴボウのフランの滑らかさ、揚げたカリカリ感に、フォワ・グラのとろっとした食感が合わさり、コーヒーの香りがほのかに香る濃いソースとの相性が抜群です。
魚料理は手長海老のムースを挟んだ舌平日のブレゼ、アルベール風です。アルベール風とは魚の出し汁とベルモット酒を使ったソースですが、柔らかく蒸し煮された舌平目とえびのうまみに酸味のあるソースが素晴らしい。
肉料理は七谷鴨のロティと紅の夢(りんご)のショーソン、サルミソースです。サルミとは火を通した肉をさらにソースの中で火を通すことで、身が柔らかく仕上がり、さらにソースもおいしくなる秋から冬にかけて食される定番料理です。ソースは最後に家禽の肝などでコクと濃度をつけますが、料理を見るだけでおいしさが伝わってくるくらい素晴らしい仕上がり。肉は柔らかく仕上げられ、つけ合わせのリンゴのパイは熱々。そしてもも肉は別皿でサラダ仕立てに。クラシックな料理に所々にシェフのパンチのきいた香辛料や柑橘使いがとても心地よかったです。すべてのお客様が満足されていました。
デザートは大枝柿とアールグレイ、マジョラムのヴァシュラン。柔らかな柿と紅茶の取り合わせがよく、おいしいのは当然ですが、ヴァシュラン仕立てのメレンゲに生姜が利かされており、食べた瞬間に広がるさわやかさと力強さがあり、細部までこだわりを感じました。小菓子は京都を感じる抹茶や栗を使ったものと紅茶で。
シェフとお話しさせてもらうと丁寧に説明してくださり、人にも料理にも優しいお人柄を感じました。サーヴィスも非常にテンポの良い、それでいて居心地の良い素晴らしいサーヴィスでした。
(西日本地区 ソワレアミカル実行委員 N.N)