2024年9月4日 西日本地区料理講習会 開催報告
2024.9.15
9月4日に京都調理師専門学校にて前田 元 氏(トック・ブランシュ国際倶楽部 会員/Restaurant MOTOÏ オーナーシェフ)を講師に迎え西日本地区の料理講習会が開催されました。当日は以下の3品を実演、試食していただきました。
鱧のベニエ、ハーブ風味のおかゆのサラダ
鱧のベニエもサクサク感とお粥のやわらかさが良いアクセントとなっている。おかゆもハーブを入れることによってお米の旨みを引き立てつつハーブの香りが引き立ち、ヴィネガーを入れることでおかゆがフランス料理に変化し、料理の構成で冷たいセップのピューレ、熱い鱧のベニエ、冷たいお粥のソースの調和が素晴らしかった。
白身魚のポワレ、切り干し大根と干し貝柱のブレゼ コキヤージュのエキュム
鱗焼きのパリパリ感が素晴らしく、切り干し大根と干し貝柱の相性の良さ、バターが加わることで更に甘みとうまみが引き立った。切干大根がフランス料理に仕上がっている新しい発見の料理でした。
子牛のグリエと紹興酒香る茸のフリカッセ豆鼓風味のジュ
こだわりの子牛の焼き方、香茸などのきのこを紹興酒を使ったフリカッセ。中国料理の味になると思われたが、複雑なきのこの味と紹興酒が合わさることでヴァン・ジョンヌのような香りになり、バターやクリームとの相性も素晴らしくフレンチのつけ合わせになった。ソースに加えた中国食材のトウチは醤油に近い風味を感じ、発酵食品(うま味調味料)の生かし方が勉強になりました。一皿の中に多くの味わいと香りの違いを楽しめる料理だと感じました。
全体の感想として、食材が沢山とれた時に発生するフードロスへの理解と料理人としてフードロスに対しての向き合い方についてや、基本的なfondとjusの定義、コンソメの取り方の話、無駄を出さない食材に対する精神の話には、若手シェフはかなり食いついていました。中国料理の食材や技法を使いながらもフランス料理に仕上がる組み合わせは、中国料理を研究し続けてきた前田シェフならではの料理。技術を後世に伝えていくと共にマインドの伝承と、料理を楽しむという心を養うことが大切であることを教えていただいた講習会でした。前田シェフ。ありがとうございました。
(レポート:理事 野口直樹)
講習料理名
鱧のベニエ、ハーブ風味のおかゆのサラダ
白身魚のポワレ、切り干し大根と干し貝柱のブレゼ コキヤージュのエキュム
子牛のグリエと紹興酒香る茸のフリカッセ 豆鼓風味のジュ