2025年3月12日 西日本地区料理講習会 開催報告
2025.3.12
3月12日に太田昌利シェフ(リーガロイヤルホテルグループ 統括総料理長)を迎えて大阪あべの辻調理師専門学校でトックブランシュ国際俱楽部 特別料理講習会が行われました。
以下の3品を実演いただきました。各料理のコメントと総評を西日本地区委員の中埜 智史氏(ホテル日航プリンセス京都 総料理長)にレポートいただきました。
講習料理名


Coquilles saint-Jacques aux endives
香ばしい帆立貝 アンディーヴとハムの香り
【良かった点】
若い料理人の方に判りやすく、帆立貝の開け方や、ムースをなぜパッセしないのかの説明やロボクープではなくこの場合はミキサーを使用した方が良いかの利点などを話されて、若い方の基本的な勉強になったとおもいます。
【勉強になった点】
ソースの塩味と苦味、酸味とのバランスがぎりぎりでとても美味しく良かったです。ソースとムースのバランスが絶妙な味わいになっていました。


Flan d’artichaut et homard, espuma de laitue, consommé de homard
オマール海老とアーティチョークのフラン
リーフレタスのエスプーマとオマール海老のコンソメスープ
【良かった点】
オマールでブイヨンを仕込む際になぜ頭をしっかり焼くか、甘めのブイヨンを仕込むためにミルポワの量を通常より増やすか等、若い方々に判りやすく説明されていた。
【勉強になった点】
エスプーマの青臭さのない味わいとふんわり感、フランのまろやかさ、そして甲殻類のコンソメの味がアクセントになってバランスのとれた美味しい味わいになっておりました。


Galette de pieds de porc et ris de veau en petite salade
ピエ・ド・ポールとリ・ド・ヴォーのガレット仕立て 小さなサラダ添え
【良かった点】
クロッカンな感じの食感。ピエ・ド・ポールとリ・ド・ヴォーの合わさった深みのある味わい。
【勉強になった点】
ピエ・ド・ポールとリ・ド・ヴォーの合わさった深みのある味わいにポムパイユの食感、ベーコンの旨味、そしてサラダのさっぱりとしたヴィネグレット感が良いアクセントとなっており良かったです。
<総評>
1品目は多くの料理人との交流で蓄積された抽斗の中から、思い出深い「ボー・リヴァージュ」の賄い料理をガストロノミーのレベルまで引き上げた調理技術の高さが光っておりました。
2品目のオマール海老とアーティチョークのフランでは演出に工夫を凝らし、お客様の要望の中にヒントが隠されていることを再認識させていただきました。
3品目については、本来はビストロやブションで食べる豚足も太田シェフにかかれば骨太さを失わず、エレガントな一皿に変身しておりました。
今回の講習会ではあまり難しくない食材で、若い料理人の方に基本的な技術や料理に対して気をつけねばならない事など語られており、またシェフの料理に対する考え方を話され、それぞれの料理では太田シェフのテクニックが垣間見れ、ソースの濃度や詰め具合、野菜の甘味の出し方など、参加者の方々にとても有意義な講習会になっておりました。
レポート:西日本地区 中埜 智史(ホテル日航プリンセス京都 総料理長)











